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「衛生要因」 は満たされないことで不満を引き起こすのですが、これをいくら改善しても満足度を高めることにはなりません。不満の解消=満足度の向上ではないのです
つまり、仕事への不満を生み出す要因をいくら改善してもモチベーションは向上しません。ここに「社員満足度調査」 や「モラルサーベイ」 の限界があります
「衛生」 とは馴染みのない用語ですが、不衛生にすると病気になりやすい(=満足度が低下する)。しかし、いくら衛生的にしても健康になるわけではない(=満足度はアップしない)、と考えるとわかりやすいかもしれません
ここで衛生要因として「給与」「身分」 が入っていることに注目してください。賃金制度や昇進・昇格制度は、その制度の不備や運用のまずさから不満をもたらします
しかし、これらの制度をいくら改善しても、不満は減るかもしれませんが、モチベーションは向上しません
賃金制度や昇進・昇格制度のカギを握る人事考課の出来がよくないと、動機づけ要因のひとつ「他者からの承認・評価」 が阻害され、モチベーションは大きく低下します
衛生要因への配慮はほどほどにして、動機づけ要因を高めることがモチベーションアップには効果的です
今から約40年前近くに発表されたハーズバークの論文は、今なお世界中で読み続けられています。モチベーションを考える上で示唆に富む内容となっているためでしょう
企業が採用すべき方法とは
このように見てみると、企業において社員のモチベーションを向上させるには、内発的動機づけによる手法が望ましいことがわかります
賃金制度や昇進・昇格制度は、ある程度の合理的・客観的基準を満たすことは必要でしょう。しかし、それ以上いくらこの制度を手直ししても、モチベーションは向上しません
それよりも
- 目標の達成感を味あわせる
- やればできるという自信を持たせる
- 成功には賞賛の声をかけてやる
- 部署やチームにとって必要な人であることを理解させる
- 仲間からの感謝の気持ちを伝える
- 成功を分かち合う
- 権限を与え挑戦させてみる
- 自主的な判断を尊重する
- フィードバックを通じて客観的に自分自身を知らしめる
- トップや上司が夢を語る
- 提案は真剣に聞いてやる
こうした内発的動機を喚起し、動機づけ要因に訴えかけるマネジメントが望ましいのです
オフィス ジャスト アイではこうしたマネジメントを実現する仕組み作りのご提案を行っています。詳しくはこちらから
プロセスに注目する
これまではモチベーションが生じる要因を探るアプローチです。一方、モチベーションはどのようにして生じるのか、といったプロセスを探る試みもあります
この考えを体系化した ブルーム は、モチベーションを引き起こす「誘因」 として、次の3つの要素を取り上げました
- 対象物そのものの魅力度
- 対象物を手に入れるための行動が、どのくらい目的達成に直結するか、その度合
- 行動により対象物を手に入れられる可能性
これらを掛け合わせたものが高いほど、モチベーションが高まるとされています
わかりやすい例として、大相撲を取り上げてみましょう。白鵬が横綱に昇進しました。大関時代の白鵬にとって、「1」にあたるのが横綱の地位という魅力度です
そして横綱に昇進するための条件はただ一つ、2場所連続優勝することです。これが「2」に当たります。対象物を入に入れる事と明確にリンクしていて、ほかに選択肢はありません
ビジネスでは、このように対象物を得るための方法が唯一これだけしかない、とういうケースは稀で、いくつかの選択肢があるのが普通です
そして「3」は、白鵬自身が考える、2場所連続優勝の確率です
ブルームの説を実際の仕事の場面にあてはめると、モチベーションを高めるためには次のような手法が考えられます
まず、目標、結果の魅力度を高めること
- 昇進、昇格
- 昇給や賞与といったお金に関係するもの
- 目標管理制度で設定する個人の目標
- 部・課、チームなど集団での目標
これらは企業・組織の目標です。さらに視点を広げ、企業の目標と個人の目標を高いレベルで一致させることが大切です
それは、いまの仕事をする意味は何か、この会社で働く目的とは何か、自らの成長のために何が必要なのか、これらを明らかにすることにより、企業の目標が本人にとっても価値のあるものであることを理解させるプロセスです
企業と個人の目標がより高いレベルで一致すればするだけ、目標・結果の魅力度が高まることになります
ところが、最近はこれができていない会社、経営者、管理職が極めて多くなっています。そのため、社員のモチベーションが上がらず、生産性や競争力に翳りが生じています
こうした事態を解消するためには、まず個人のモチベーションの中味や、レベルについて知る必要があります。それらを明らかにするため、当事務所では「社員特性分析」
と「モチベーション測定」 を実施しています
次に「2」 (行動が目標達成に直結する度合) に対応した方法としては
- 目標が明確であること
- 目標達成へのプロセスが明瞭なこと
- 採用される手段、アプローチに誤りがないこと
- それらが効果的、合理的であること
- 成果が客観的に評価されること
ここでの目標や成果には、企業・組織の目標・成果だけではなく、個人のものも含まれます
実務的な対応としては、人事考課制度 や目標管理制度 が機能していること、戦略が戦術に落とし込まれていること、キャリアの開発 ができる仕組みが整っていること、などが挙げれます
「3」の可能性を高める方法としては
- 競争力のある製品・サービスの提供
- 顧客満足度の向上
- 的確なマネジメント
- マーケティングの強化
- OJT、OFF-JTによる人材育成、能力開発
- 状況の変化に対応した方針の見直し
「3」は日々のビジネスに最も近いテーマで、これを忘れる経営者はいません
しかし、モチベーションを高めるためには「1」と「2」への視点と、個人への配慮が欠かせません
「1」「2」「3」の要因はいずれも一つではなく、複数存在し、それらは日々刻々変化しています。そうした状況において、要因の組み合わせの巧拙がモチベーションの高低を決めています
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