モチベーションとは




2つの要因

モチベーションとは、人が一定の方向や目標に向かって行動し、それを維持する働きを意味しています。「動機づけ」「やる気」、と呼ばれることもあります

モチベーションは、2つの要因から構成されています

ひとつは、人の内部、心にあって行動を引き起こす「動因」(ドライブ)とよばれるものです。 身近な動因には、食欲や睡眠といった生理的欲求があります。これらの生理的欲求は1次的欲求ともよばれ、人間には誰しも備わっています

この1次的欲求が満たされると、次に社会的な欲求と言える2次的欲求が生じてきます。これについては、モチベーションの理論としてマズローの欲求階層説がよく知られています



この図のように、マズローは欲求の内容をピラミッドのように配置し、下層の欲求が満たされると上層の欲求が生じるとしました。そして、下層の欲求が満たされない限り、上層の欲求が生じることはない、と主張しています

太古の時代、マズローの「安全の欲求」 は外敵から身を守りたい、という欲求でしょう。「所属の欲求」 は共同体で生活を営む際に生じる欲求、と考えることができます

また現在の企業にあてはめてみると、「安全の欲求」 は終身雇用のような雇用の保障であり、「所属の欲求」 とは同僚・仲間との一体感・連帯感、と考えることができます




モチベーションを構成するもう一つの要因は「誘因」(インセンティブ)です。 これは人の外部にあり、この要因により人の行動は誘発されます

ショッピングにおける「衝動買い」 は、ディスプレイが誘因になり、「買いたい」 という動因が引きこされた結果といえます

動因と誘因は相互に影響しあって人間の行動を左右しています。強い動因があれば、誘因がなくても行動が引き起こされます

逆にいくら誘因があっても、動因が生じなければ行動は起こりません。お腹がいっぱいのライオンは目の前にシマウマがいても、動こうとしません

衝動買いのように、誘因によって動因が喚起され、行動に移る例もあります


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モチベーションを向上させる方法とは

外部から報酬を与えて、モチベーションを向上させようとする手法は 「外発的動機づけ」 と呼ばれています

目標を達成すれば昇進・昇格させる人事制度や、成果主義に基づく人事制度・賃金制度は、この外発的動機づけの代表例です

これに対して社員が自らの意思で主体的に目標を立て、目的に向かって行動を起こさせるようにする動機づけは 「内発的動機づけ」 と呼ばれています

外発的動機づけは、「誘因」によって行動を起こさせるものであり、内発的動機づけは「動因」により、モチベーションアップを目指すものです


ハーズバーグは、企業におけるこの動因と誘因を具体的に研究し、「動機づけ衛生理論」 として発表しています。この理論はモチベーションを考える上できわめて重要な考えとなっています

ハーズバークは、さまざまな企業・職種の社員から、仕事中に極度の満足・不満を覚えたとき、どのようなことが起きたかについて質問し、その要因を抽出しました

すると、満足を招いた要因としては

  • 達成感
  • 他者からの承認・評価
  • 仕事そのものへの満足感
  • 責任
  • 昇進
  • 進歩
  • 個人的な成長

といった要因が81%と多くを占め、これを「動機づけ要因」としました


逆に不満を招いた要因には

  • 企業の施策と管理
  • 監督
  • 監督者との関係
  • 労働条件
  • 給与
  • 身分
  • 保障

といった要因が69%と多数を占め、これを「衛生要因」としました





「衛生要因」は満たされないことで不満を引き起こすのですが、これをいくら改善しても満足度を高めることはありませんでした。つまり、仕事への不満を生み出す要因をいくら改善しても、モチベーションは向上しないのです。 ここに「社員満足度調査」 や「モラルサーベイ」 の限界があります

「衛生」とは馴染みのない用語ですが、不衛生にすると病気になりやすい(=満足度が低下する)。しかし、いくら衛生的にしても健康になるわけではない(=満足度はアップしない)、と考えるとわかりやすいかもしれません

ここで衛生要因として「給与」「身分」が入っていることに注目してください。賃金制度や昇進・昇格制度は、その制度の不備や運用のまずさから不満をもたらします。しかし、モチベーションを向上させるには力不足なのです

賃金制度や昇進・昇格制度のカギを握る人事考課の出来がよくないと、動機づけ要因のひとつ「他者からの承認・評価」 が阻害され、モチベーションは大きく低下します

衛生要因への配慮はほどほどにして、動機づけ要因を高めることがモチベーションアップには効果的です

今から約40年前近くに発表されたハーズバークの論文は、今なお世界中で読み続けられています。モチベーションを考える上で示唆に富む内容となっているためでしょう

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企業が採用すべき方法とは


このように見てみると、企業において社員のモチベーションを向上させるには、内発的動機づけによる手法が望ましいことがわかります

賃金制度や昇進・昇格制度は、ある程度の合理的・客観的基準を満たすことは必要でしょう。しかし、それ以上いくらこの制度を手直ししても、モチベーションは向上しません

それよりも

  • 目標の達成感を味あわせる
  • やればできるという自信を持たせる
  • 成功には賞賛の声をかけてやる
  • 部署やチームにとって必要な人であることを理解させる
  • 仲間からの感謝の気持ちを伝える
  • 成功を分かち合う
  • 権限を与え挑戦させてみる
  • 自主的な判断を尊重する
  • フィードバックを通じて客観的に自分自身を知らしめる
  • トップや上司が夢を語る
  • 提案は真剣に聞いてやる

こうした内発的動機を喚起し、動機づけ要因に訴えかけるマネジメントが望ましいのです








プロセスに注目する


これまではモチベーションが生じる要因を探るアプローチです。一方、モチベーションはどのようにして生じるのか、といったプロセスを探る試みもあります

この考えを体系化したブルームは、モチベーションを引き起こす「誘因」として、次の3つの要素を取り上げました

  1. 対象物そのものの魅力度
  2. 対象物を手に入れるための行動が、どのくらい目的達成に直結するか、その度合
  3. 行動により対象物を手に入れられる可能性


これらを掛け合わせたものが高いほど、モチベーションが高まるとされています

わかりやすい例として、大相撲を取り上げてみましょう。白鵬が横綱に昇進しました。大関時代の白鵬にとって、「1」にあたるのが横綱の地位という魅力度です

そして横綱に昇進するための条件はただ一つ、2場所連続優勝することです。これが「2」に当たります。対象物を入に入れる事と明確にリンクしていて、ほかに選択肢はありません

ビジネスでは、このように対象物を得るための方法が唯一これだけしかない、とういうケースは稀で、いくつかの選択肢があるのが普通です

そして「3」は、白鵬自身が考える、2場所連続優勝の確率です


ブルームの説を実際の仕事の場面にあてはめると、モチベーションを高めるためには次のような手法が考えられます

まず、目標、結果の魅力度を高めること

  • 昇進、昇格
  • 昇給や賞与といったお金に関係するもの
  • 目標管理制度で設定する個人の目標
  • 部・課、チームなど集団での目標


これらは企業・組織の目標です。さらに視点を広げ、企業の目標と個人の目標を高いレベルで一致させることが大切です

それは、仕事をする意味、いまの会社で働く目的、自らが成長できる環境にあること、これらを通じて、目標がいかに本人にとって価値のあるものかを理解させるプロセスです


そのためには、個人のモチベーションの中味や、レベルについて知る必要があります。それらを明らかにするため、当事務所では「社員特性分析」 と「モチベーション測定」 を実施しています



次に「2」 (行動が目標達成に直結する度合) に対応した方法としては

  • 目標が明確であること
  • 目標達成へのプロセスが明瞭なこと
  • 採用される手段、アプローチに誤りがないこと
  • それらが効果的、合理的であること
  • 成果が客観的に評価されること


ここでの目標や成果には、企業・組織の目標・成果だけではなく、個人のものも含まれます


「3」の可能性を高める方法としては

  • 競争力のある製品・サービスの提供
  • 顧客満足度の向上
  • 的確なマネジメント
  • マーケティングの強化
  • OJT、OFF-JTによる人材育成、能力開発
  • キャリア開発の推進


「3」は日々のビジネスに最も近いテーマで、これを忘れる経営者はいません。しかしモチベーションを高めるためには「1」と「2」への視点と、個人への配慮が欠かせません


「1」「2」「3」の要因はいずれも一つではなく、複数存在し、それらは日々刻々変化します。そうした状況において、要因の組み合わせの巧拙がモチベーションの高低を決めていきます




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モチベーションを向上させる要因は人によって異なります。持って生まれた気質と生育環境の両方により形成されると考えられています

一卵性双生児で、同じ家庭で育った兄弟・姉妹でも、その性格、気質が異なる例はよく知られています

内発的動機が何により形成されるのかはまだわかっていません。明らかになっているのは一度形成された気質は簡単には変化しないことです

社員のモチベーションに作用する要因を把握できれば、その人の能力はより発揮され、生産性は向上し、組織は活性化します。それは企業、本人双方にとって望ましい状態です

オフィス ジャスト アイでは モチベーション測定 を行い、各人が行動を決定する場面で、どういった要素により動機づけられているのかを明らかにします

動機には本人さえ気がついていない隠された動機もあります。最初は気乗りしない仕事だったのに、いつのまにか興味を抱き、寝食を忘れるくらいその熱中する、といった例は数知れません

また、社員の内面にある真の動機、本人すら気づいていない能力を見つけ、意欲・やる気の構造を明らかにする 社員特性分析 も行っています

上司にとっては新たな部下の能力、適性、性格の発見であり、部下自身にとっても、新しい自分との出会いです

オフィス ジャスト アイでは、人事・人材の面から事業発展のお手伝いに努めています。当事務所の診断業務を活用されて、企業の競争力強化・生産性向上を図ってみてはいかがでしょう

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