組織診断 活用事例 1 |
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環境適合測定の活用この組織診断では最初に「環境適合測定」 を行います。これは会社や組織がどれだけ市場や顧客といった外部の環境に適した状態にあるのかを測定するものです測定は 『どんなタイプの人と働きたくないか』 という質問に対する回答の強さで調べます。この数値が高い組織は、社員の意識が市場や顧客に向かわず、社内の人間関係の好き嫌いに向くという、いわば “内向き” の状態になっています。企業本来の職務遂行や計画・目標の達成に集中できていないことになり、環境に適した状態ではありません。そのため数値は低いほど望ましいことになります X 社を測定した結果は次のようになりました。まずグラフの全体を概観し、数値の高さの分布状況を確認します |

| 右上のグラフBで数値が30ポイント付近まで下がり、さらにグラフの右下Dではかなり数値が低くなっています。CやDあたりで数値がゼロになってしまうのが理想ですから、X 社の環境適合度にはやや問題があると言えます 「環境適合測定」 は地理的に離れた拠点ごとにも集計しますので、支店・営業所・工場ごとに外部環境への適合度を調べることもできます 環境適合測定の傾向分析環境適合測定の結果、どのようなタイプの行動が強く拒絶されるのか、それらの関係は部署別・役職別・世代別・勤続年数別にどのようになっているのかという傾向を分析しますX 社における部署別の傾向分析は次のようになりました |

| 左上には、『一緒に働くのは敬遠したい タイプ別』 として、拒絶のタイプを以下の6つに分類し、それらの集計結果を示します |
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| X 社で一緒に働きたくないタイプとしては、『2.ヒステリー型』 と『4.問題児型』 が多くなっています。ここからX 社では、自分が目立とうとするスタンドプレーや、メンバーの足を引っ張りチームワークを乱す行為に対する拒絶度が高いことが読み取れます。そして、こうした行為が組織内のどこかで実際に行われているため、環境への適合が妨げられていることになります 環境適合測定の傾向分析の右半分では、一緒に働きたくないタイプの関係をグラフにしています。部署別以外に世代別、勤続年数別、役職別に傾向を把握することで、環境に適合していない状態を生み出している背景を調べることができます ここでは「勤続年数別」 の傾向分析を取り上げます |

| X 社で問題とされる「2.ヒステリー型(自己顕示タイプ)」と「4.問題児型」は勤続年数別で見ると、かなり幅が広く拡散していることがわかります(点線の矢印)。そして勤続年数が長くなるに従い数値が高くなり、人間関係の好き嫌いが顕著になる傾向にあります ここからX 社では勤続年数が長い役職者やベテラン社員ほど対人関係に意識が向き、企業本来の目的である課題や目標の達成に専念できていない状態にあります。これはマネジメントを担う社員の意識が市場や顧客に向いていないことになり、企業にとっては重大な問題と言えそうです そこで、次の「組織活力測定」 を使い、組織のどこに、どんな問題があるのかを詳しく診断・分析していきます
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組織活力測定の活用環境適合度に問題のある会社・組織は社員の意識が内向きになっており、活力が低下しています。「組織活力測定」 は社員が企業や組織についてどのように思っているかを測定し、組織の活力が低下している部門とその原因を明らかにします最初に 「風土厚生面」「人間関係」「会社評価」「職務遂行面」「組織構造面」 という5つの面から組織の活力を測定した「Total集計結果」 を確認します。X 社は次のような結果でした。楕円で囲んだ項目は数値の高低が顕著で、まずここに注目します |

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| A : 仕事の進行と質の向上 B : 目標計画の達成度 C : 業務の確実な処理 |
D : 成績への満足度 E : 顧客志向 F : 就業規則の遵守度 |
A : 仕事の役割配分 B : 適材適所 C : 他部門との情報共有 |
D : 今の仕事への満足度 E : 経営理念の明確さ |
| 数値は指数化されたものです。全員が肯定的な答えをすれば、+100。全員が否定的な回答をすれば、-100となります 目標水準は40ポイント、要注意水準は15ポイント以下です |
目標水準である40ポイントを超えているのは、次の項目でした
「職務遂行面」 のB、D、Fはマイナスになっており、全体としてプラスとマイナスの格差が大きくなっています。「組織構造面」 の D は一番活力が低い結果になっています
こうした結果からX 社では経営理念・経営目的が社員に浸透し、顧客志向が強く、常に仕事の進め方の改善・向上が図られていることが読み取れます。その一方で、目標や計画の達成には支障が出ており、成績への満足度が低く、仕事から満足感を得られていない社員が数多くいます また、「風土厚生面」 「人間関係」 「会社評価」 では各項目ともゼロ付近に収まっており、組織の活力が低下していることが伺えます。こうした場合、平均はゼロでも回答のバラツキが大きいこともあるため、 「はい」 と 「いいえ」 の 【回答分布】 と 【標準偏差グラフ】 により、バラツキの程度を確認します |
| 【組織活力測定・回答分布】 | 【組織活力測定・標準偏差グラフ】 |
| 拡大版はこちら(PDF) | 拡大版はこちら(PDF) |
| 標準偏差とは各測定項目の平均からの距離の広がりの程度を示した数値です。 標準偏差が大きいことは回答結果のバラツキ(=個人差)が大きいことになります。 |
| 【回答分布】 の「風土厚生」「人間関係」「会社評価」 を見ると、「はい」 と 「いいえ」 の比率にはそれほど大きな違いがなく、「どちらでもない」 という中間的な回答が多いことがわかります。一方、【標準偏差グラフ】 では回答結果の多くがグラフの上部(=バラツキ・強)に位置していることが読み取れます。このことはX 社は全社的な傾向として、社員の意識のバラツキが大きく、個人差が大きいことになります 組織活力がマイナスとなった項目に注目すると、いずれも標準偏差が大きくなっています |


| 職務遂行・B 目標・計画は遅れず達成 職務遂行・D 自分の成績に満足 職務遂行・F 就業規則の遵守度 組織構造・C 他部門との情報共有度 組織構造・D 今の仕事への満足度 |
| バラツキが大きい回答については、特定の部署や世代別、勤続年数別に偏在がないかどうかを、「傾向分析・設問別集計結果」 を使って確認するようにします
(活用事例2 で詳しく紹介しています) 次に男女別の比較や、管理職と課員の比較、他社平均値との比較を行い、組織活力に格差が生じていないかどうかを確認します。X 社の結果は次のようになりました。ラインで囲った項目には大きい格差が見られます |



| これまでのX 社の結果をまとめると次のようになります 【環境適合測定・結果】 社員の意識に内向き志向が見られ、経営環境への適合度にはやや問題がある 【組織活力測定・全体結果】 目標数値・40ポイントに達しない項目が多く、総じて組織の活力は低下している 目標値・40ポイントを上回っている点 組織活力がマイナスとなっている点 『職務遂行面』 では、設問によって結果に大きな違いがある。環境適合測定で勤続年数が長い社員ほど内向き志向が見られる点から、職務遂行に関わるマネジメントに問題が生じている恐れがある 【回答分布と標準偏差】 全社の傾向として、標準偏差の値が大きく、回答間のバラツキが大きい。組織活力がマイナスとなっている項目も、バラツキが大きく個人差が顕著なため、局所的に活力が低下している部署や階層がないかどうかを確認する必要がある 【組織活力測定・比較結果】 ≪男女別の比較≫ ≪管理職と課員との比較≫ ≪他社平均値との比較≫ 【概評】 経営理念が浸透し、顧客満足度を高めるために仕事の進め方や質の向上への取り組む意欲が高く、業務は確実に処理されている 一方、目標や計画の達成には支障が生じており、これが自己の成績や今の仕事への不満となっている。休日・休暇の取得が十分でないことや就業規則の遵守度が低いことから、労務管理に問題が生じている恐れがある 勤続年数が長い社員ほど自己中心的な人、業務の遂行の足を引っ張る人への拒絶度が高く、内向き志向となっている。これらのことから、部門間の協力や情報共有、管理職層のマネジメントが十分に機能していない可能性がある |
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