目次
適性検査について
性格・パーソナリティの検査項目
ストレス耐性
基礎的な社会性
意欲・ヤル気
採用判定
標準版と標準版ライト、簡易版の違い
適性検査とは質問に対する反応の方向性や強度を集計し、あらかじめ用意された基準値と比較することで応募者の行動や判断、思考の傾向といった特性・特徴を明らかにするものです。
質問は行動科学・心理学などの知見を基に作成され、基準値は働く日本人や新卒学生を対象に実地調査で標本を集め、統計処理を行い母集団としています。これにより適性検査に必要とされる妥当性と標準性を確保しています。
質問票は統一された仕様のものを用い、回答結果の分析はソフトウェアで行われるため、人の主観が入り込む余地がなく、信頼性を確かなものにしています。
適性検査は最近の学術的調査・測定技術の向上により応募者の人物像を正確に把握できるようになっています。そのため採用にあたって応募者の性格や能力・やる気の特徴を理解することができ、どのような職務に適性があるのかがわかります。面接と併せて活用することで、自社が求める人材や募集する職務・採用予定部門に適した応募者の採用が可能になります。
また、経営者や面接担当者の印象や主観だけで合否判断を行い、その結果、採るべき人を逃し、採るべきでない人を採用してしまうといった事態を回避することができます。
しばしば人間の能力は、海に浮かぶ氷山にたとえられます。 下の図のように、氷山の上部には、ナレッジ(知識)、スキル(技能)、コンピテンシー(優れた行動特性)があります。これらは海面上にあるため、第三者が比較的容易に観察することができます。職務経歴書や面接により把握できる部分です。
そして、海面の下にはその人を形成している根本的な土台である
資質 が隠れています。この資質こそ、その人らしさの核心であり、ナレッジ(知識)、スキル(技能)、コンピテンシー(優れた行動特性)を形作る基礎・土台になります。
新卒者・若年者、未経験者の採用では、自社に必要なナレッジやスキル、コンピテンシーは、まだ身についていません。このため、海面下に隠れた資質を把握することが重要になります。基礎や土台である資質を越えるような職務遂行能力・行動特性を発揮することはありません。
中途採用・キャリア採用においては、応募者がどのような職務経験を有しているかを確認することは極めて重要です。しかし、職務経歴書を見て質問しているだけでは、応募者が募集職務や配属予定部署において、これまで蓄積してきた知識や技能を活かし、能力を発揮できるかどうかを見極めることは困難です。
応募者の意欲や能力、行動特性は、性格、組織人として必要な能力、職務に対する意欲・モチベーションといった要素に左右されます。これらが渾然一体となって現在の職務遂行能力(職能)や、将来の成長に必要な可能性の余地を作っています。面接の限られた時間と応募者が予想できるような一般的な質問だけで、これらの要素が個別に、どの程度備わっているのかを見極めることは出来ません。
そこで応募者のナレッジ(知識)、スキル(技能)、コンピテンシー(優れた行動特性)の基礎・土台となっている資質を明らかにし、間違いのない人物を採用するためには適性検査が欠かせないのです。
思索型
自分の内面世界の意識が中心となる社会的内閉性のことです。対人関係に対する消極さ、冷淡さがあり、一般的に非社交的といえます。「内閉性 」と「客観性」という2つの側面を持ちます。
- 内閉性・高い
- 社交意識が低い。内向して対人接触を好まない。非社交的、非活動的、ぼんやり、無礼、冷淡、身勝手
- 客観性・高い
- 相手との距離を置き、冷静で客観的。落ち着き、熟慮性、想像力、審美的、冷静、集中力、分析力
活動型
よく身体が動き、テキパキと行動する傾向を指します。「身体性」と「気分性」という2つの型に分かれます。活動性が高い人は環境に対する適応性が高く、高揚感が感じられます。しかし、思考能力の点で見劣りがあると、行動だけが目立ち、効率の悪さや軽率さが目立つ結果にもなります。
- 身体性・高い
- 身軽で、身体を動かして活発に行動する。社交的、世話好き、ユーモア、共感的、活動的、自在性
- 気分性・高い
- 感情の浮き沈みがあり、気分で行動する。八方美人、お節介、涙もろい、不注意、無計画、やりっ放し
努力型
辛抱強く一つのことに執着する傾向のことです。道徳や規律を重んじ、堅実な生活を送っていることが多い。几帳面で手堅い反面、臨機応変、変化対応では物足りなさがあります。「持続性」と「規則性」の2つの面があります。
- 持続性・高い
- 几帳面でコツコツと長続きする。粘り強さ、厳格、徹底心、熱心
- 規則性・高い
- 発想が定型的。決まり事を大事にする。執拗、融通性のなさ、癇症、自制性の欠如
積極型
自己中心的で、顕示欲の強さの表れを見ています。「競争心」と「自尊心」という2つに分類されます。数値が高い人は勝気で目立とうとする気持ちが強く、好き嫌いに激しいものがあります。
- 競争心・高い
- 勝ち気で負けず嫌い、外へ打って出る。達成志向、競争性、こだわり、演技力
- 自尊心・高い
- 甘えん坊で、社会的に未成熟。自己顕示性、攻撃性、わがまま、虚栄心、好き嫌い
自制型
弱気で引っ込み思案の傾向を指します。人は誰でも弱気さを持っており、それがここ一番という場面でその人の行動を左右することがあります。「慎重性」と「弱気さ」という2つの型があります。
- 慎重性・高い
- 見通しをつける、慎重さが身上。用意周到、謙虚、控え目、責任感、慎重、自省的
- 弱気さ・高い
- 元気がなく、精神的に不安定。悲観的、気後れ、受身的、自己否定的、諦めが早い
どのようなストレスに対してどれくらい耐性(=抵抗力)があるかを示しています。数値が高いほど、ストレスに抵抗力があることになります。ストレス耐性が低い場合は、ストレスによって本来の力を発揮できない恐れがあります。
- 対人ストレス耐性
- 人とのコミュニケーションで生じるストレスに対する抵抗力
- 目標ストレス耐性
- 目標や課題に向き合う際に生じるストレスに対する抵抗力
- 繁忙ストレス耐性
- 忙しいことや、時間・手間がかかりそうなことで生じるストレスに対する抵抗力
- 拘束ストレス
- 会社の決まり事や仕事上の制約などで、行動を制限されることで生じるストレスに対する抵抗力
- 総合ストレス耐性
- 仕事していく上で生じるストレス全般に対する抵抗力
組織における人間性の指標であり、他者と協同して仕事をしていく上で必要とされる能力です。職務遂行能力(職能)を形成する上での基礎・土台になります。新卒学生は実際の職務経験がなく、これまでの経験を基にしているため、中途採用者に比べると数値が高めに出る傾向があります。
- 積極性
- 仕事や人間関係に対する自発的行動力と活発度
- 協調性
- 話し合いや協同作業を円滑に進めるために努力する度合い
- 責任感
- 引き受けた任務に対する認識度。道徳的な意味ではなく、完遂するという意味あい
- 自己信頼性
- 自分自身を把握しているか、自信のある行動であるという自覚の度合
- 指導性
- 職場での指示方法や仕事のやり方などに対する理解度
- 共感性
- さまざまな環境に対しての適応度や社交性の発揮度合い
- 感情安定性
- 物事の処理に当たったり、時間の配分に対処する場合などの精神状態
- 従順性
- 業務命令や常識的行動に対しての素直さ、順応の度合い
- 自主性
- 自分のなすべき事を指示されずに実行する力や判断の度量具合
- モラトリアム傾向
- 現実や環境に対する自己の精神的位置や社会的満足度
基礎的な社会性の数値は高い方が望ましいことになります(モラトリアム傾向だけは低い方が望ましい)
職務遂行に対する前向きの意識や態度を生み出し、目標・課題の達成に向けて人をヤル気にさせる要因です。外からの刺激によって高まるモチベーションではなく、その人の内側から湧き上がってくる意欲のことです。
- 達成欲求
- 高い目標に向けて頑張って努力したい
- 親和欲求
- 仲間と上手くやっていきたい、支援したい
- 求知欲求
- 知的好奇心が旺盛で、新奇なことに進んで挑戦したい
- 顕示欲求
- 実力を認めて欲しい、能力を発揮したい
- 秩序欲求
- 物事をキチンと整理したい・処理したい
- 物質的欲求
- モノやお金を貯めたい、資産などに強い関心
- 危機耐性
- 危機対応力がある。逆境に耐え自分を守ることができる
- 自律欲求
- 何事も他人に頼らず独力で進めたい
- 支配欲求
- 仲間の世話をして、よりよい方向へ指導したい。上下関係が気になる
- 勤労意欲
- 仕事を通じて自己を実現させたい。仕事を通じて生きがいを見つけていきたい
これらの数値は高い方が望ましいですが、相反する欲求項目もあるため、すべてが高い数値となることはありません。
採用判定は「定着・安定性」と「適性の幅の広さ」から行われます。
「定着・安定性」は+35から−35の間の数値で示されます。プラスであれば問題なしと判断されます。数値がマイナスとなる人は集団で仕事をするよりも個人単位で仕事を進めるのに適しています。会社の風土や職務内容が個人の判断や裁量を重視している場合は、組織に属していても高い成績を上げることがあります。
「適性の幅の広さ」は 『CUBICの判定結果』 としてA〜Eの5段階で示されます。適性の幅が広い順にAからEとなります。適性の幅が広い人ほど適した職務・職種が多く、さまざまな職場環境で活躍できる度合いが平均的に高いことになります。いわゆるオールマイティ型です。
中途採用のように採用後の配属部署があらかじめ決まっているような場合は、適性の幅が狭くても職務・職種に適した特性を備えていれば問題はありません。適性の幅が狭いことは強い専門志向の表れでもあり、職務・職種とのマッチングがよければ高い成果につながります。
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当事務所の採用適性検査の価格は、通常の「標準版」では3,000円、「標準版ライト」は2,000円ですが、一部の内容を省いた「簡易版」もご用意しています。簡易版の価格は1,000円です。標準版と簡易版の違いは、以下の通りです。
サポートの有無
標準版・標準版ライトでは、実施後に結果の見方や数値の解釈など、各種のご質問やお問い合わせに無料で対応しています。簡易版では、こうしたご質問やお問い合わせには対応しておりません。同封する解説書をお読みの上、ご判断ください。
結果の概評・レポート
標準版では、採用適性検査の結果について、個人別の概評・レポートをお付けしています。結果の解釈や見方のポイント、見逃せない特徴などをA4・1枚(人数にして1名〜3名程度)にまとめてお送りします。これにより採用適性検査の結果をより有効に活用することができます。標準版ライトコースと簡易版では解説書のみの送付となります。
ストレス抵抗力の検査
標準版・標準版ライトでは応募者のストレスへの抵抗力が検査されますが、簡易版ではストレス抵抗力は検査されません。
無料の再検査
標準版・標準版ライトコースでは信頼係数の値が低かった場合、ご要望があれば、再度の適性検査を無料で行います。簡易版では再検査にも費用がかかります。
採用決定者への対応
標準版では採用後の人材の育成や活用に使える 「自己分析シート」を作成します。自己分析シートは採用適性検査の結果を使って、応募者の強みや弱みを本人にフィードバックするもので、新しい職場での意識の持ち方や、改めるべき態度について考えさせるきっかけとなります。
また、配属先の責任者や直属の上司にも自己分析シートを配布しておくことで、新しい部下をどのように育て活かせばよいかの目安、ガイドラインになります。標準版ライトと簡易版では自己分析シートの作成は行いません。
【標準版と簡易版の比較】
項目 |
標準版 |
標準版
ライト |
簡易版 |
実施前のお問い合わせ |
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実施後の質問・お問い合わせの対応 |
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個別の概評・レポート |
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ストレス抵抗力検査 |
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能力検査の実施 |
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信頼係数が低かった場合の再検査 |
無料 |
無料 |
有料 |
数値データの提供(エクセル) |
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解説書・マニュアル |
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自己分析シート |
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価格(税別) |
3,000円 |
2,000円 |
1,000円 |
ご注意
標準版と標準版ライト、簡易版の選択は、採用適性検査の実施ごとにどちらかをお選びください。1回の実施の中で、応募者によって標準版と標準版ライト、簡易版を使い分けることはできません。
最初のうちは標準版で行い、見方に慣れてきた段階で標準版ライトに切り替えるという使い方により、コストダウンを図ることができます。
また、採用活動の初期の段階で行う際は、取りこぼしを防ぐため応募者全員を対象に簡易版で行い、最終選考時に行う際は、内容を吟味し、採用後のことも考慮して、標準版を選択するという使い方もできます。
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申込書(PDF)
【当事務所の診断・分析メニューの一覧】
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