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採用面接の必勝法



採用業務における最大のヤマ場は何と言っても面接だ。だが、この最も重要な採用面接では自社流や自己流が蔓延している。

自社流や自己流でも大企業の採用担当者のように月に数百回という数の面接をしていれば自ずと眼は肥えてくるし、効率的にもなる。 しかし、中小企業ではそういう訳にもいかず、結果として数年後に採用したことを後悔する事例が数多い。

採用における面接が上手く行かない原因は、応募者から得られる情報の量と質が不足または欠如していることだ。 応募者から採用に必要な情報の量と質を得るにはどうすればよいのだろう。






情報の「量」を確保する方法


まず、情報の量を確保するためには、面接の目的や位置づけを刷新することだ。

多くの採用面接では面接が応募者の正体を見破る場、あるいは本性を見抜く場と化している。 このため面接会場はあたかも警察の取調室のような雰囲気になり、応募者は緊張を強いられ、 自分に有利な点は多少誇張気味に話し、不利な質問に対しては必要最低限度の当たり障りのない回答をしようとする。 そのため採用に必要な情報量が得られない状況を招いている。

これを解消するには採用面接を企業と応募者が互いに話せる場、オープンに情報を交換しあう場へ転換する。 「選ぶ・選ばれる」ための面接から、価値観や相性が「合う・合わない」を確認し合う場へ面接へと位置づけを変える。

そのためには、最初にアイスブレイクと呼ばれる手法で応募者が話しやすい雰囲気を作り、その後、今日の面接の時間や進め方、 狙いや目的とする点、質問の方法などを説明する。いわば面接全体の骨格像、絵姿を事前に示す。

この中で応募者には、この面接はあなた自身のことを自由に語ってもらう場であると告げ、会社は応募者が必要としている経営方針や職務、 待遇の情報などを出来る限り提供することに努めることを約束する。

特に他社に在籍中で転職を考えているような応募者を転職に踏み切らせる場合などは、会社と応募者は対等の立場にあるという理解の上に立ち、 互いに必要かつ十分な情報を交換することが欠かせない。補充のための採用ではなく、補強のための採用では会社側が積極的に自社の情報を提供することで、 応募者を惹きつけ、説得し、魅了することが重要になる。

そして実際の質問の場面では、コーチングのスキルが役に立つ。応募者の答えに耳を傾ける「傾聴」、相手の答えを受け入れる「受容」、 さらに話を促すための「承認」、相手の話すペースや身振り、声の大きさに合わせる「ペーシング」などを使うと効果が期待できる


会話の吹き出しのイラスト

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情報の「質」を確保する方法


情報の質を確保するためには 行動面接構造化 するとよい。

行動面接とは コンピテンシー面接 とも呼ばれ、応募者が過去の特定の場面や状況で、どのような行動を取ったかを聞き出すことで、 応募者の行動の行動に大きな影響を与えている要因の強弱を判断する。この要因を採用のための判断基準と一致させるような質問をする。

中途採用の場合、最も見極めたいのは応募者が自社に入社すれば、どの程度活躍できるのか、戦力となるのかだ。 行動面接では会社が採用にあたり重視する要素が関わっていると想定される場面や状況で、応募者が過去にどのような行動を取ってきたかがわかれば、 入社後も同じような行動を取ることができると判断する。逆に言えば、これまで取らなかった・取れなかった行動は採用後も期待できないと判断することになる。

面接を構造化するとは、質問内容や評価基準をあらかじめ決めておき、どの応募者に対しても同じ質問をして、同じモノサシで評価する手法のことだ。 面接をいわばシステム化、標準化、パターン化すると理解するとよいだろう。

これに対し構造化されていない面接は自由面接とよばれ、面接担当者がその場の状況や応募者によって自由に質問を変え、評価のモノサシもその都度、 異なったものを用いる。構造化された面接はシナリオに沿った演劇で、自由面接は役者によるアドリブ、即興劇と言える。



行動面接の質問とは


行動面接を構造化するには、事前の準備段階で、採用のための評価基準の要素がどの程度のレベルにあるかを見定めることができるような質問を用意しておく。 一から質問を作るのは大変なので、行動面接のための質問例から今回の採用に当たり設定した評価基準を聞きだせると思われる質問を選ぶとよい (行動面接質問事例集は無料ツールで提供中)

話を聞き出す際のポイントは、現実に存在したり発生した特定の場面を思い出させるようにして、応募者が口にする副詞や形容詞をより具体化させるようにする。 応募者が答えを考えたり、まとめたりするのではなく、過去の出来事を思い出して、そのストーリーを語らせるようにする。

得られた話の内容から採用の基準となる要素の強弱、高低のレベルを判断する。判断のためのレベルを3段階~5段階程度に設定し、 それぞれのレベルごとの定義づけしておく。

行動面接では通常1時間~1時間半という面接時間内では2~3つ程度の質問しかできない。また、複数回行われる面接全てを構造化すると、 特定の応募者限って聞きたいと思う質問ができなくなる。そのため、面接のどの段階で、どの程度まで構造化面接を実施するのかという 面接の制度設計・デザインをしておくとよい。

2015/3/16





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