自分らしく生きるための学び方

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医療技術の進歩により、長寿化がもたらされ、職業人生も長くなる一方だ。一方、技術革新のスピードは年々早くなり、経営環境の変化の度合いも増している。その結果、私たちのキャリアも、突然の変化に見舞われるリスクが高まりつつある。
変化の流れに上手く乗れれば良いが、流れに振り回されたり、乗っている船が座礁する恐れもある。人任せの船に乗っているよりも、自分で舵を取ったり、自ら流れを作り出す方が後悔のない人生を送れるかもしれない。
自らの手による職業人生を歩むポイントは、自分の仕事に「自律性」を持ち込むことだ。言われた通りに仕事をするだけ、あるいは前例を踏まえた仕事を続けるだけではなく、仕事に自分なりの工夫や意味づけを行い、自分の長所や持ち味が活かせるように仕事をアレンジする。これは「主体的ジョブデザイン行動」と呼ばれている。
また背伸びをして、今の仕事を膨らませ、能力を伸ばそうと負荷をかける「ジョブ・ストレッチ」や、仕事自体を自分で創り出す「ジョブ・クラフティング」などを意識して実践することも、仕事に自律性を持たせることに繋がる。
求められる「学びの自律」
仕事に「自律性」を持ち込むために必要になるのが「学びの自律」だ。会社の研修を受け身で受講しているだけでなく、自分なりの学びや主体性のある学び、自力による学びである 独学 が必要になる。
「学びの自律」とは、次の3つの要素を自分で決定したり、マネジメントすることだ。
- 自分はなぜ、それを学ぶのか、という学びの「Why」
- 具体的に何を学ぶのか、という学びの「What」
- どうやって学ぶのか、という学びの「How」
主体性をもって学び、仕事に自律性を持ち込むことが「キャリアの自律」につながり、自分ならではの価値提供ができ、働きがい=ワークエンゲージメントが高まり、自分らしい職業人生に繋がる。

こうした「学びの自律」が求められる背景には、キャリアの自律を目指すという目標だけでなく、現在の仕事の性質も関係している。
昭和の時代の日本企業の付加価値の中核はモノ作り(製造業)にあった。しかし、現在は産業構造のサービス化が進んでいることに加え、製造業にもサービス化の波が押し寄せている。典型的な例としては、自動車や建設機械、空調設備などには多くの電子部品が組み込まれ、外部からの情報を取り込み、リアルタイムで稼働状況を最適に保つ機能が搭載されている。
こうした情報化やサービス化によって付加価値を高めることが、競争力の強化や差別化につながる事例が増えている。この結果、ソリューションビジネスやコンサルテーションビジネスといった、顧客の要望ごとに提案や解決策を示すといった正解がない仕事が増えている。
こうした仕事では上司も正解を知らないため、従来のような年功をベースにしたOJTが機能せず、社員は自ら学んで自分の専門性を高めたり、案件ごとに最適解が異なる課題に対応するため、普遍性のある学びによって、応用力を手に入れる必要が高まりつつある。
個人特性分析 : 社員の性格や能力、意欲を分析し、人材の育成に使えます
専門性と普遍性のある学びとは
一般的に専門性には、①実務的専門性、②体系的専門性、③先端的専門性という3つの種類がある。私たちが身につけるべき専門性は、③先端的専門性であり、そのためにはOJTに代表されるような社内での縦の上下関係からの学びだけでなく、社内や社外のヨコの人間関係からの学びを活かすようにする。
具体的には、同じ専門性を学ぶ者同士が集まるオンラインサロンのようなコミュニティに参加したり、副業や越境学習によって社外の組織に身を置いて、そこから学ぶ。
普遍性のある学びで応用力を身につけるには、現在の仕事という個別具体的な事例から、普遍的な抽象概念を導き出す「チャンクアップ」という作業を習慣づけるのが効果的だ。「チャンク」とは「塊」という意味で、個々の塊から上位に位置する本質的な意味や価値を導き出すコミュニケーションの手法とされている。
今の仕事は何のためにやるのか、この仕事の本質的な目的は何か、なぜこの方法でやるのか、顧客に提供する価値は何か・・・、こうした仕事の意味や背景について自分なりの答えを見出すように習慣づける。
そしてチャンクアップで見出した普遍的な抽象概念を使って、次の新しい仕事に自分ならではの意味づけをする。個別具体的な事例と普遍的な抽象概念の間を行き来することで、普遍性のある学びを手に入れ、応用力が身につく。

社会は企業に対して、昭和の時代から現在に至るまで、利益や成長を求めるだけでなく、本来であれば国や地方自治体が担うような社会的責任や役割も課してきた。こうした企業への過剰な期待=オーバープレゼンスによって、日本企業は生産性や国際競争力の低下といった弊害に見舞われている。
そうした中で一部の企業は、利益や成長を求め、株主の期待に応えるという本来の役割に徹することで本来の姿に変貌しつつある。個人も自分らしい仕事をして、自分らしい生き方を求める存在であるべき時期を迎えている。






