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高年齢者の継続雇用HEADLINE

「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」(以下、高年齢者雇用安定法とする)の最新の改正は、平成24年8月に行われ、平成25年4月から施行され、現在に至っています。

ここでは高年齢者雇用安定法の改正項目のうち、会社にとって最も影響の大きい「雇用確保措置」について、見ていくことにします。


雇用確保措置の概要

高年齢者雇用安定法の第9条は以下のような内容になっています。ここは、平成16年の改正により「義務規定」に変更されました。

第9条
定年の定めをしている事業主は、その雇用する高年齢者の65歳までの安定した雇用を確保するため、次の各号に掲げる措置のいずれかを講じなければならない。
  1. 当該定年の引き上げ
  2. 継続雇用制度の導入
  3. 当該定年の定めの廃止

これら3つをまとめて 「高年齢者雇用確保措置」 と呼ぶことになっています。

1 の場合、定年年齢を65歳以上に引き上げることになります。

2 は労働者が、なんらかの形で65歳まで引き続き働くことのできる仕組みを導入することです。これには 再雇用制度勤務延長制度 の2つの制度があります。

再雇用制度とは、定年年齢に達した社員を一度退職させ、再び雇用する仕組みです。一方、勤務延長制度とは、社員が定年年齢を迎えても退職させずに、そのまま引き続き雇用し続ける仕組みです。いわば定年退職を先延ばしする方法です。

そして平成24年の改正により、この継続雇用制度には定年を迎えた社員を自社の関係グループ企業等 (=特殊関係事業主と表現されています) で引き続き雇用する措置も含まれることになりました。

第9条・第2項
継続雇用制度には、事業主が特殊関係事業主 (当該事業主の経営を実質的に支配することが可能となる関係にある事業主その他の当該事業主と特殊の関係のある事業主として厚生労働省令で定める事業主をいう。以下この項において同じ。) との間で、当該事業主の雇用する高年齢者であってその定年後に雇用されることを希望するものを定年後に当該特殊関係事業主が引き続いて雇用することを約する契約を締結し、当該契約に基づき当該高年齢者の雇用を確保する制度が含まれるものとする。

3 は定年そのものを廃止してしまうことです。定年を廃止すると労働者がいくつになっても、本人が「働く」「働きたい」と言えば、会社は拒むことができないことになります。

会社の規模を問わず、すべての会社は、この1.2.3 のいずれかの措置をとることが「義務」になっています。現在、多くの企業は 2 の継続雇用制度の一つ、再雇用制度を採用しています。

厚生労働省によるH29の高年齢者の雇用状況によれば、継続雇用制度を導入している企業の割合は80.3%で、定年を引き上げたのは17.1%、定年を廃止したのは2.6%となっています。そして、同じく厚生労働省のH29年の就労条件総合調査によると、継続雇用制度を採用した企業のうち、再雇用制度を採用しているのは約72%になっています。

次のセクションでは、2の継続雇用制度の一つ、「再雇用制度」について詳しく見ていくことにします。









【助成金情報】
定年を65歳以上に引き上げる、継続雇用制度を66歳以上に延長する、定年の定めを廃止するといった措置の導入を推進するため、H28年10月に 65歳超雇用推進助成金が創設されています。

ただし、定年を廃止する、または65歳以上に引き上げると、@60歳の定年時での賃金の見直しも含めた労働条件の変更が出来なくなる、A退職金規程を確認し、必要であれば改正しておかないと退職金が大きく増減する、B高年齢者層の賃金が増大するため、現役世代の昇給が抑制される、といった問題点があります。

また継続雇用制度を66歳以上に引き上げる場合は、無期転換ルールにより、有期雇用契約が期間の定めのない雇用契約に転換される点に注意が必要です。無期転換ルールについては、このページの 再雇用制度の注意点 をご覧ください。



再雇用制度について

継続雇用制度とは、高年齢者雇用安定法・第9条において「現に雇用している高齢者が希望するときは、当該定年後も引き続いて雇用する制度」と定めています。

そして、厚生労働省によれば、継続雇用制度や定年の引き上げ・廃止といった高年齢者雇用確保措置によって確保されるべき雇用の形態については、必ずしも労働者の希望に合致した職種・労働条件による雇用を求めるものではなく、本措置を講じることを求めることとした趣旨を踏まえたものであれば、常用雇用のみならず、短時間勤務や隔日勤務なども含めて多様な雇用形態を含むものである、としています。

つまり、継続雇用後の労働条件については、高年齢者の安定した雇用を確保するという法の趣旨を踏まえたものであれば、雇用に関するルールの範囲内で、労働時間、賃金、待遇などについて、事業主と労働者の間で決めることができるわけです。

60歳定年を定めている企業が継続雇用制度の一つである 「再雇用制度」 を採用した場合、従業員は60歳で一度定年退職となり、その後、会社と新しい労働契約を結び直すことになります。新しく労働契約を締結するため、過去の賃金、役職、待遇などは一度、ご破算になり、会社は新しい労働条件を示すことになります。

高年齢者雇用安定法は、あくまで65歳までの雇用の場を提供することを求めており、新しく示した労働条件が労働者の希望に合わず、結果的にその労働者がその後の再雇用を拒んだとしても、法違反にはなりません(ただし、あまり低劣な労働条件を示すと、公序良俗違反で民事上の争いとなる恐れがあります)



再雇用の対象者の選定

継続雇用制度の一つ、再雇用制度に関して、改正前の高年齢者雇用安定法には緩和策措置が用意されていました。企業は継続雇用の対象となる労働者を再雇用するに際し、一定の基準を定め、この基準に適合した労働者だけを再雇用の対象にすることができました。

会社は基準に満たない社員を門前払いにすることができ、再雇用を希望する者全員を継続雇用の対象にする必要はありませんでした。しかし、平成24年の改正でこの緩和規定は廃止されました。これにより平成25年4月から、会社は継続雇用の対象となる労働者が希望すれば、その全員を再雇用の対象にしなければならないことになりました。

(注) 再雇用を検討すべき対象者として取り上げることが義務になっており、必ず再雇用しなければならないわけではありません。会社と労働者の間で再雇用の労働条件が合意に至らず、労働者が再雇用を拒否しても法違反ではありません。

なお、心身に故障がある者や勤務状況が著しく不良である者など、就業規則で解雇・退職事由に該当する場合は継続雇用しないことができる旨が 指針 (PDF)で示されています。


そして、この規定廃止には経過措置が設けられ、継続雇用の対象となる労働者の再雇用について何らかの基準を平成25年4月1日より前に定めていた場合は、以下の期間に応じて、指定された年齢以上の労働者については、引き続きその基準を有効とするものとされました。

平成25年4月1日〜平成28年3月31日 : 61歳以上の者
平成28年4月1日〜平成31年3月31日 : 62歳以上の者
平成31年4月1日〜平成34年3月31日 : 63歳以上の者
平成34年4月1日〜平成37年3月31日 : 64歳以上の者

例えば、平成28年4月1日から平成31年3月31日までの間は、62歳以上の社員を再雇用する場合は、これまで労使協定によって定めていた継続雇用の対象となる基準が引き続き有効となります。基準に満たない社員は門前払いにすることができ、希望者全員を再雇用の対象にする必要はありません。

最新の高年齢者雇用安定法の施行日の平成25年4月1日の時点で、すでに60歳定年を迎え再雇用されているような社員については、今後も継続雇用の対象とするかどうかについて労使協定で定めた基準が有効になり続けることになります。

逆に言えば、平成25年4月1日以降に、新たに60歳の定年を迎えるような従業員については、最初の再雇用契約の際は希望者全員を再雇用の対象にする必要があります。そして2回目以降の再雇用契約については、再雇用契約締結の時期と従業員の年齢に応じて、労使協定で定めた基準が適用出来るか否かが決まります。

この期間と年齢は、昭和28年4月2日生まれ以降の男性から (=平成25年4月2日以降に60歳を迎える) 老齢厚生年金の支給開始年齢が61歳へ引き上げられる措置が始まることが関係しています。60歳から老齢厚生年金が支給されない社員については企業側に年金が支給されるまでの間、希望者全員の再雇用の対象とすることを義務づけ、収入に空白期間が生じることのないようにしているわけです。



厚生労働省作成資料より (拡大版はこちら



東京労働局作成資料より (拡大版はこちら


まとめると、今回の改正により高年齢者の再雇用制度は次のようになります。

  1. 老齢厚生年金の支給開始年齢に達する前は、希望者全員を再雇用の対象にする。
  2. 老齢厚生年金が支給される年齢に達すると、再雇用の際、労使協定によって定めた基準を適用することができ、場合によっては再雇用契約の対象としないことができる。
  3. 再雇用は65歳まで働くことの出来る仕組みにする。




再雇用制度における注意点

高年齢者雇用安定法は企業に65歳までの雇用確保措置を求めていますが、65歳を過ぎても雇用を継続させる場合は注意が必要です。

労働契約法は改正により、平成25年4月から同一の使用者との間で有期雇用契約が継続して5年を経過した場合、労働者が無期雇用への転換を申し出ると、会社はこれを承諾したものとみなすという 無期転換ルール が定められました。(労働契約法・第18条)。なお、労働者から申し出がなければ、有期雇用を継続させても問題はありません。

この無期転換ルールは有期雇用の労働者を正社員にすることではなく、有期雇用の際の労働条件のまま、雇用期間だけを有期から無期(=期間の定めのない労働契約)へ転換することです。そのため、短時間勤務の労働者の場合は、短時間正社員という扱いになります。

厚生労働省 労働契約法に基づく「無期転換ルール」への対応について

【事務所新聞記事】働き方を大きく変える無期転換ルール


無期雇用転換ルールがあるため、60歳定年後、再雇用によって有期の雇用契約を繰り返し、65歳に達した後、さらに雇用を継続させた場合、労働者から有期雇用から無期雇用への転換の申し出があれば、会社は承諾せざるを得ません。雇用期間が無期になれば、すでに60歳の定年は過ぎているため、年齢を理由とした退職がなくなり、本人が退職を申し出ない限り、労働契約は継続することになります。


こうした事態を防ぐには、次の3つの対策があります。

1.65歳以降は、いかなる場合でも雇用契約は締結しない。
2.65歳以降に雇用を継続した労働者を対象に第2の定年年齢を定める。
3.有期雇用特別措置法の定めによる特例の適用を受け、無期雇用転換申込権を発生させない。


3の有期雇用特別措置法は、平成27年4月から施行された法律です。企業は適切な雇用管理に関する計画を策定し、都道府県労働局長の認定を受けることで、無期雇用転換申込権を発生させないようにすることができます。認定を受けるには 第二種計画認定申請書 (PDF)という申請書を作成し、都道府県の労働局へ提出します。



高年齢労働者との契約更新のイメージ写真




再雇用時の賃金設定

60歳を過ぎて在籍している高年齢社員は、一定の要件を満たせば、雇用保険から高年齢雇用継続基本給付金を受給することができます。そして、厚生年金保険の被保険者でありながら、一定年齢以上になると老齢厚生年金も受給することができます。高年齢社員の収入は給料、高年齢雇用継続基本給付金、老齢厚生年金の3つで構成されることになります。

(注)短時間勤務や隔日勤務などにより、雇用保険や厚生年金保険の被保険者とならない場合は、高年齢雇用継続基本給付金は支給されず、老齢厚生年金の支給調整も行われません。

「高年齢雇用継続基本給付金」と「老齢厚生年金」は、給料の額によって支給額が調整されます。再雇用にあたっては、この3つをどのようにバランスをとるかによって、本人の手取り額はもちろん、会社の負担も大きく変わってきます。



高年齢雇用継続基本給付金の仕組み

60歳を過ぎて毎月の賃金が60歳時と比べ75%未満に低下した場合(*)、一定の要件を満たしている労働者には、雇用保険から高年齢雇用継続基本給付金が支給されます。この際、老齢厚生年金を受給していると、年金の一部が支給停止になります。

(*)60歳時の賃金は、会社の所在地を管轄するハローワークに「雇用保険被保険者60歳到達時等賃金証明書」を提出することで登録されます。


毎月の賃金が60歳時と比べ61%未満まで低下すると、「低下した賃金」の15%分の高年齢雇用継続基本給付金が支給されます(60歳時の給料の15%ではありません)。そして、老齢厚生年金は「標準報酬月額」の6%が支給停止になります(支給される年金の6%カットではありません)

賃金の低下が61%〜75%未満に収まる場合、高年齢雇用継続基本給付金の支給率は15%から段階的に縮小していきます。すると老齢厚生年金の停止される割合は6%から徐々に小さくなっていきます。つまり、賃金が低下すればするほど、高年齢雇用継続基本給付金はより多く支給されます(15%が上限)。そして、老齢厚生年金はより多くカットされます(最大で6%のカット)

毎月の賃金の低下率が60歳時と比べ75%未満に低下していなければ、高年齢者雇用継続基本給付金は支給されません。

賃金の低下がそれほど大きくなければ、高年齢雇用継続基本給付金は少なくりますが、老齢厚生年金がカットされる率は小さくなり、より多くの年金が受け取れるという仕組みです。このようにして調整された老齢厚生年金は、在職老齢年金の規定により、さらに支給調整されます。


在職老齢年金仕組み

60歳を過ぎた在職中の高年齢者が、一定の要件を満たしていると老齢厚生年金が支給されます。これは一般的に、在職老齢年金とよばれています。

改正された高年齢雇用安定法が施行される平成25年4月1日以降に60歳に達する人は、昭和28年4月1日以降生まれにあたります。この世代の老齢厚生年金支給開始年齢は男性・61歳で、女性は60歳からです。老齢厚生年金の報酬比例部分(部分年金とも言われます)の支給が始まります。

老齢厚生年金は在職中に支給を受けると、給料(賞与も含まれます、以下では報酬という) の額よって、支給調整(年金カット) が行なわれます。場合によっては全額支給停止となる場合もあります。年金と報酬の合計が月額28万円を超えた段階から、老齢厚生年金の一部支給停止が始まります。この28万円というラインは「支給停止調整開始額」と呼ばれ、毎年見直しされることになっています。



さらに詳しい早見表(PDF)



ここでちょっと注意が必要です。高年齢雇用継続基本給付金の支給額は、毎月支給される「賃金」によって決まります。これに対して、在職老齢年金の支給停止は過去1年間の賞与も含めた「総報酬月額相当額」によって決まります。つまり、この2つは異なるモノサシを使っているわけです。

残業代が増えて「賃金」が増えると、高年齢雇用継続基本給付金は影響を受けますが、在職老齢年金の支給調整額は変化しません。在職老齢年金の支給調整額が変わるのは「標準報酬月額」が変更された時や、過去1年間の賞与の総額に増減が生じた場合です。


高年齢者の賃金・給料を決定する際の注意点をまとめておきましょう。
  1. 厚生年金保険や雇用保険の被保険者になるのか
  2. 高年齢雇用継続基本給付金が支給されるのか
  3. 在職老齢年金の支給調整が行われるのか
  4. 賞与が支給されるのか


再雇用され、高年齢雇用継続基本給付金と老齢厚生年金を受給できる社員について、本人の手取額が最も大きくなり、なおかつ、会社負担が最も少なくなる賃金、賞与を求めるためには個人別のシミュレーションが必要になります。計算式は複雑な上、雇用保険法、厚生年金保険法、健康保険法、介護保険法、所得税法の改正や保険料率の変更による影響を受けます。

オフィス ジャスト アイでは、高年齢者の給料を決定する際に必要なシミュレーションを行なっています。対象となる社員のデータをもとに、給料、高年齢雇用継続基本給付金、支給調整された老齢厚生年金の一覧表にして作成します。価格はお一人・3,000円(税別)です。

これにより、高年齢雇用継続基本給付金の支給率を高めつつ、老齢厚生年金の支給カット率を低く抑えるような賃金、賞与がわかります。また、年収が決まっている場合は、月額賃金と賞与にいくらずつ振り分ければよいかもわかります。こうして、高年齢社員と会社、双方とも社会保険料負担の軽減を図ることができます。

高年齢者の賃金を決める目安が欲しい、専用ソフト買うほど高年齢者がいない、仕組みが複雑でよくわからない、という会社の方々には最適です。


詳しい資料と申込書はこちら (PDF)

ご質問・ご相談はメールでも受け付けています : justeye367@yahoo.co.jp


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